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プリキュアショーに行って号泣する話

わたしはプリキュアショーに行くと泣きます。数える程しか行ったことはないのですが、毎度めちゃめちゃ泣きます。この記事はそういう取り留めのない話です。

 

今日のプリキュアショーはキラキラ☆プリキュアアラモードの5人が敵と戦ったりダンスをしたりするもので、以前には歴代ピンクと魔法つかいプリキュア!が大集合してダンスを踊るというバトルのないスタイルのものなども観ました。

 

やっぱり今日も泣いたのですが、毎度毎度なぜ泣くのかというと、こどもたちが「プリキュアに会いたい」と心から願ってプリキュアを呼ぶからです。

 

 

プリキュアは、あらかじめその日その時間に来ることが決まっています。そのために、たくさんの大人たちが努力したことでしょう。ですがプリキュアショーという空間において、プリキュアがやってくるのは、あくまでも、こどもたちがプリキュアに会いたいと願って、大きな声で元気いっぱいにプリキュアの名を叫んだからなのです。

このことを、わたしは肌にびりびりと感じて、もうなんかダバダバ泣きました。こどもたちの懸命な思いにプリキュアが応えてくれた瞬間の目撃者になっちゃったわけです。

 

もちろん、大人たちの努力をないがしろにするつもりはまったくありません。むしろそれもまた感じられるからこそ感動するのです。こどもたちにとって、また、あの空間において、「プリキュアがみんなの思いに応えてやってきた」という認識が成立するのは、紛れもなく大人たちの努力の賜物です。心から敬意を抱きます。彼らのたゆまぬ努力と労働があるからこそ、プリキュアはやってくるのです。

 

戦闘のときも、ピンチになったプリキュアを、こどもたちは心から応援します。「こどもたちの声援をある程度受けたら立ち上がり反撃するシナリオ」とかではないのです。ほんとうに、ほんとのほんとに、こどもたちが一生懸命に応援してくれたから、力が湧いてきて、プリキュアは再び立ち上がることができるのです。そう信じさせてくれるのです。

 

プリキュアショーという空間は、圧倒的なリアルです。一発勝負のショーですから、運営側はさぞ綿密に計画し練習を重ねることでしょう。しかし、そういったシナリオの一切を感じなくさせる熱量が、そこには確かにあります。こどもたちの熱によって、シナリオはリアルに昇華されます。なにもかも、それは現実に起こっていることなのです。

プリキュアショーで起こるすべての奇跡は、蓋を開ければ大人たちの努力と作為です。けれどもひとたびショーがはじまれば、その奇跡が起こったのは、こどもたちが心から願い声を上げたから、ということになるのです。

 

わたしは「真実が完成する瞬間」がどうしようもなく好きです。それは、ある集団・空間における認識が事実を凌駕する価値を持つ瞬間です。プリキュアショーにはそれがあります。ぬいぐるみに命をみとめるように、紙切れに金銭的価値を見出すように、あの場で起こるすべての奇跡は、こどもたちが起こしたものになるのです。こどもたちが願ったから、プリキュアはやってきてくれるし、何度でも立ち上がります。こどもたちが心からそう信じられる空間は、大人たちのやさしさの塊のように思えます。プリキュアショーを観るこどもたちは、大人たちの愛に包まれているのだと心から思いました。

 

実際にプリキュアショーに赴くと、こどもたちの本気を感じます。

プリキュアと一緒に写真を撮るこどもたちを眺めていると、どうしようもなく涙が出ます。そこにいるのは間違いなくプリキュアで、こどもたちはプリキュアに会うことができて、一緒に写真を撮ることができた。これはあまりにもうつくしい真実です。いつかその写真を見たとき、あのときのプリキュアはきぐるみであったのだと思うかもしれません。それでもその写真に残されているのは、「プリキュアと一緒に写真を撮れて心からうれしいと思う笑顔」なのです。

プリキュアショーにやってくるプリキュアを「プリキュア」だと信じることは、決して愚かなことではありません。名前も知らないこどもたちが、そのうつくしい夢を見るべきときに見られたことを、勝手ながらとてもうれしく思うし、すこし妬ましくも思うし、彼女たちの未来に幸福があることを願います。

 

今日は親子連れに混ざってプリキュアにサインを貰って、その上プリキュアと握手をしてきました。プリキュアの手にふれたとき、その体温に感動しました。プリキュアには体温があるのです。今わたしの目の前にいて、あたたかい手でふれている。なんと素晴らしいことだろうと思いました。感無量です。プリキュアにも体温があるんだ……。

 

今日わたしが見た限りだと、写真でも握手でもキュアマカロンがいちばん人気で、たくさんの夢見る少女たちが、おひざに載せてもらったり抱きしめてもらったりしていました。キュアショコラに撫でてもらった女の子はうれしそうにぴょんぴょん跳ねながら帰ってゆきました。

 

取り留めのない話なのでオチらしいオチもないのですが、わたしはというと、ついに某遊園地の年パスを買いました。また行きます。