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『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』感想

『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』を観ました。

べそべそに泣いてハチャメチャになったので感想を書きます。細かい部分はもっといろいろあるのですが、ここではいちばんだいすきな部分の話だけ。

 

 

『星のうたに想いをこめて』は、一言でいうと祈りの映画でした。

気持ちが伝わりますように、あなたの気持ちを知ることができますように、もちろんそういう祈りの映画でもありますが、同時にこれは他でもない子供たちへの祈りの映画だと感じました。

 

UMAは、ひかるやララと見た景色を胸に秘め、きっといつかそんな星になろうとしていました。成長したUMAの外見はひかるとララの特徴をすこしずつ反映したものですし、きっとその内面にも、ひかるとララの影響が多分にあることでしょう。

 

それは、映画館に来てくれたこどもたち、日頃テレビの前でプリキュアを応援してくれるこどもたちもまったく同じです。

この世界にはたくさんの悪意があるけれど、それでもプリキュアの見せてくれた風景はまばゆくうつくしく輝いていて、いつか大人になるこどもたちの心の宇宙をゆたかにしているのでしょう。

 

こどものうち、心がやわらかいうちに、きれいなものをたくさん見て、きれいな心をたくさんぬいぐるみに注いでおけば、そのぬいぐるみは、いつかきっと自分を助けてくれます。ずるくて弱い道を選びそうになったとき、なにかきれいなことを囁いて、「そうだね。やっぱりそっちの方が素敵だよね」と思わせてくれます。

 

わたしは以前モフルンについてのブログにこのようなことを書いていたのですが、子供たちについても同じことが言えるのかもしれません。

 

プリキュアが見せてくれる数々の泥臭くも光り輝く景色は、きっと誰かの魂の故郷になるのでしょう。そしてそれは、同時にはるか彼方の目指す場所でもあります。

 

この映画は、沖縄に行ったところで『フレッシュプリキュア!』を思い出したり、UMAの力で世界各地に行ったところで『スマイルプリキュア!』を思い出したり、これまでプリキュアシリーズから受け取った色々な風景がリフレインする作品でした。(それと、個人的な体験として『それいけ!アンパンマン 夢猫の国のニャニイ』のことも思い出しました。こちらもとても好きな映画です)

たぶんわたしは、それに安心したのです。うつくしいものを見て、記憶の抽斗が開いて、心に刻まれたうつくしいものが連鎖的に喚び起こされる。そういう体験を得ると、なんだかこれからも生きていけるような気がします。

この映画は、素敵な気持ちをより深く、苦しい気持ちをちょっぴり軽く、そんな形で、これから先のわたしの人生に何度も関わってくれるのだと思います。

 

どこに生まれても、誰と育っても、何があっても、心にひとかけら、プリキュアから受け取ったきらめきがあるならば。わたしたちはUMAのように、悪意の伝染に脅かされても、耳元にそっと懐かしいうたが届いてくるのでしょう。

劇場でプリキュアの素敵なうたを聴いて、自分でも口ずさんでみたくなりました。いつか本当に必要なとき、未来で危機にあるわたしの心に、届くかもしれないから。

うたを歌って変身するって素敵なことなんだな。今年の2月に1話を観たときにもそう思いましたが、改めてそう感じました。

このうたを、この景色を、心の宇宙の片隅にそっと置いておけば、きっとキラキラ生きていける。今はそんな気がしています。

この映画自体が、わたしの心の宇宙のたいせつなおほしさまです。